はじめに
当ブログは筆者の経験によるところが多く万人に通づるものではないと確信してはいるものの、万が一にも誰かの助けになってしまうことがあるかもしれない、というある種の希望や宇宙の誕生に関する確率論的なものから記録を残しておくことに何の問題があるのだろうかという自問自答の末、作成が決定されたものであることを最初に記載しておきたい。
ご覧のとおりこの筆者は一文が非常に長くなる傾向があり、読みにくいこと甚だしいのであるが、こういうものだということでご納得いただいたうえでこの先を読み進むかどうか判断していただければ幸いです。
筆者のステータスに近ければ近いほど参考になる度合いも高いと思われるのでこういう体験談的なものに関して読むときにはそういった情報が最初に書いてあると読む読まないの選択にもつながるし、読んだ後に「お前の場合は運が良かっただけで何の参考にもならねーよ」みたいな時間の浪費も回避できるし、何より私がそうしてほしいと望むのでそういった情報を載せるのである。個人情報の漏えいには細心の注意を払っておく必要があることは言うまでもない。
このブログの主なテーマは「社会に出るまで発達障害ということがわからなかったけど障害特性と合わなかった職場から離れて、障害者雇用で働き始めるまでの体験談」ということになります。
テーマ時期の筆者のステータス
年齢:アラサー
家族構成:理解のある妻のみ
家:ローン有(35年)
前職勤続年数:5年以上
前職年収:400万弱
辞めるきっかけ:休職期間満了
その時の症状:うつ状態(のちに二次障害と判明)
真の原因:自閉スペクトラム症ASD(受動型)、ADHD
真の原因に気づくまでの期間:休職から1年以上
真の原因に気づいたきっかけ:妻のたゆまぬ研究結果
親の助け:皆無(むしろマイナス)
申請したもの:自立支援、精神障害手帳、障害者年金
苦手なもの:なんで?、どうして?などのオープンクエスチョン、予定の変更、変化の気づき、状況の変化、変な音、聴覚過敏で視覚優位
PCスキル:VLOOKUPが使える程度
性格:人から見たらどうでもいいことにこだわり、割と重要なことには無頓着で楽天思考
(その他なにかありますか?)
しかし問題が山積みでして、いかんせん筆者の記憶能力がとても低い。
重要な出来事がごっそり抜けおちていることは日常茶飯事であり、今回のこともまるで当事者意識が欠如していると100億回妻に指摘されているほどのありさまである。
元来私はそういった事柄が苦手のようでひどく情報に偏りが生じているのは確かなのであるが、それはそれとしてまずはやってみるしかないこともまた事実である。
すべての事象が他人事でお客さんのような意識っていうと伝わりますか?
結局何が言いたいのかというと、理解のある妻と出会ったことが私の運命の分岐点であって今の筆者のルート(β世界線)にたどり着いたといっても過言ではないので妻への感謝はいくらあってもたりないほどなのだ。(いくらやっても足りないならもうやらなくてもいいやとかいう考えってアスぺっぽい?)
つまり!よき理解者(途中で投げ捨てないで最後まで根気よく付き合ってくれるの意)と出会えるかどうかがアスペルガーが生きるか死ぬかの大きな分岐点となるといっても過言ではない!
それはどんな関係性でも構わないのである。あなたの周りによき理解者はいるだろうか?
いなければ死ぬ気で探すしかないのである。どんな手段を使ってでも探し出してほしい。
社会はきっと手を伸ばしてくれるはずなのだ。
そして自覚せよ、自分の特性を理解し、どんなことができてどんなことができないか
自分のことを理解しよう!今の社会ではまだまだこちらの努力係数が高く設定されているのでできる限りのことはしなくては生きていくのは難しいようだ。
支援者または家族の方へ、中途半端にかかわらないでください。中途半端にかかわるくらいなら本気の人に任せてください。彼らの人生がかかっています。最後まで面倒を見る覚悟をもってください。こちらも本気なんです。本気で生きてます。
ふざけてるように見えますか?あそんでいるようにみえますか?何も考えてないようにみえますか?その通りです。でもそれを本気でやってるんです。
合言葉は「長所は短所、短所は短所」
嫌なところやダメなところばかり目につくと思います。
そういうもんなんです。
最終回 採用通知を、君に
社長面接、一般的には意思の確認と言われたりもする割と油断しがちな部類です。
しかし筆者にはぬかりありません。時代はインターネットです。わからないことは何でも検索すればいいのです。「社長面接 落とし穴」っと。
ほーら出てくる出てくる、社長面接は舐めプだといかんと書いてあるページが!
しかしあまり気負ってもしかたありません、今までやってきた面接と同じように臨めばいいのです。一次面接と同じように準備していけばなんら問題ありませんよ。
普通はね。
その当日がやってまいりました。
一次面接と同じように受付を済まし、面接室に通されます。
えっ!?ずらりと並ぶ人人人、合わせて6人
増えるんかい!社長だけじゃないんかい!そんなツッコミを入れながらの入場だったのでもう頭は真っ白けでございます。社長1、取締2、前回の面接官3の計6人と対峙した筆者はまさに蛇ににらまれた蛙!しかしここで怖気づいては今までの努力が水泡に帰してしまいます。そうはいかんざき!最後の気力を振り絞ってハッタリをかましまくります。息も絶え絶えになりながらも自分の気持ちを正直に話せたかなと思いました。(一次面接でもありましたが、自身の障害特性について説明するというのはやはりどこに行っても何回目の面接でも人が変われば行う可能性が高いということですので、そこの準備だけは怠りなくしたほうがよさそうです)
ほうほうの体で退出し、家路につきました。
それからの数日は期待と不安に入り混じりながら過ごし、バイトやハローワーク通いを引き続き行っていました。
そしてついにこの瞬間が訪れるのです。
郵便受けに届く大判封筒、その中には……。
「採用通知」
おめでとう!ありがとう!これが諦めなかった人だけが手に入れられるものなんです!やりました!とうとうやり遂げたのです。こんなにうれしいことはない!
採用日までひと月あります。いろいろと入用になるでしょう。その準備期間にしたいと思ったのでひとまずアルバイトは終わりにしました。鞄、靴、ネクタイ、スーツ、その他もろもろ、久々のビジネスシーンに相応しいアイテム達を取り揃えて万全を
期して臨みたいという意気込みで準備をして、後は入社初日を待つばかりという段階になったのであります。
ここまで筆者がやってこれたのはひとえに妻の努力ゆえでございますなぁ
また、行く先々でお世話になった方々、センターのサポート、プロのお見立て等数え上げればきりがないほどいろいろな人に力を貰ったなぁと感慨深い思いです。
これにて約1000日における離職から再就職までの道のりは完了となりますが
ここがゴールではございません。
ここからが本当のスタートなのです。
まだまだこの道は続いていくのです。
私たちの戦いはこれからだ!
「社会に出るまで発達障害ということがわからなかったけど障害特性と合わなかった職場から離れて、障害者雇用で働き始めるまでの体験談」
完
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ここからは近況等のお知らせでございます。
最終回を更新するまでになんとも数えきれないほどの時が過ぎ去ってしまいました。
過ぎ去りし時を求めるのはドラクエにお任せしたいところです。
更新時点の現在、私は上記の再就職先で”まだ”働いているのです!!
昨今の急激な情勢変化についていけない御仁も多くいらっしゃることでしょう。
そんなときは無理せず休んでいただきたいと思います。
お金がないから、休む場所がないから、と休まない理由を並べるより
休むために全力でこの世界にあるリソースを使っていただきたいのです。
わからないことは調べる、知ってそうな人にきく
楽をするために一生懸命になりましょうよ
指先だけでどんな人にもつながれる便利な時代なんですもの
話題がそれましたが在宅勤務と出社のシフト制となっておりまして
いかに通勤というものが気力体力をそぎ落としていくものなのか身をもって知ることになりました。
入用になった者たちは現在ほとんど使われていません(笑)
鞄 → PCが入るリュック
靴 → 黒いスニーカー
ネクタイ → 入社初日以来つけてない
スーツ → カジュビジ服に移行
いつのまにかアラサーからアラフォーになり、
月日の流れの速さにアラマァと驚く今日この頃
謹んでお慶び申し上げます。
番外編:就職活動とスーツ
就職活動に欠かせないもの、その一つがスーツですね。
筆者は退職してから再就職に向けて動き出すまでの間に体型が変わってしまいました。
するとどうなるか。以前来ていたスーツが全く着られませんでした。
無理に着て行ったらお尻が破けてしまったのです!キャーッ!
しかも家に帰るまで気づかなかった……。
\(^o^)/
なら新調するしかないじゃないか!
スーツなんてどれも同じよ、安いやつでいいの。着られたらいいのよ。
なんて思っていませんかー?筆者もそう思っていました。
スーツ屋さんへ行きますよね?サイズ測ってもらいますよね?
そのサイズの最安値探しますよね?試着してみますよね?
ここで一息入れてみましょう。
店員さんはその筋のプロなんですよ。わからないことは聞いてみましょう。
というか向こうから大抵やってきます。そしたら再就職を狙っていることや、体型が変わって着られなくなってしまったことなどそれとなく話してみましょう。
するとどこからともなく「こちらはいかがですか?」なんて持ってきます。
それを試しに着てみましょう。「ふむ、悪くないな。」そんな感想を持つはずです。
そりゃそうでしょうよ、さっきあなたが試着したスーツの倍の値段なんですから。
いやーちょっと高いかななんて思っているとプロが別のスーツを持ってきているんですよね。そのスーツをちょっと羽織ってみる。あれ?なんだかしっくりくるな。試しに最初に着た最安値を羽織ってみる。あれ、なんだか首のあたりがしっくりこないな。それに見た目が全然違うぞ。なんてことになったりするのです。
そしてプロがとどめの一撃「今ならお安くしておきますよ」これでクロージング終了です。
高い出費にはなりましたが、この買い物は決して悪くなかったと思っています。なぜならこのスーツを着て企業面接を受けて採用となったからなのです。
人は見た目が9割というのもあながち間違いではないのかもしれません。
第一印象を良く見せるというのも大事な面接対策なのではないでしょうか?
決して高いものを買う必要はないのですが、自分の体型に合ったスーツ、着心地のいいスーツを選ぶと、見た目もGOODになって行くものです。
第二十一話 潜入、企業面接
おいおい、半年以上も空いちゃったよ。
書き溜めてあるから空いてる時間にコピペして更新するだけなのにできない。
そーゆーとこだよね!
相変わらず仕事は続けられています。
精神障害の長期就労率は厳しい数字が出ているかと思いますが、それは適切な支援を得られてないからであって、各々に適した支援さえあればいけると私は考えております。
以下本文
面接は以前にもやっているから大丈夫、問題ない。
とこの時は思っていました。
しかし前回は支店の採用面接、今回は本社での採用面接、この差がどれだけ大きいのかこの時の筆者には知る由もなかったのです。
(筆者は新卒の時から碌に企業面接を経験していないので企業面接のイメージが偏っていました)
受付を済まして、面接室へ通されます。
そこには3人の面接官が!(今まで経験した面接はすべて面接官1人でした)
この時点でガクブルが始まった筆者
面接時の問答の内容なんかまったく覚えてません。
(話を聞いても全く頭に入ってこない、なんてことは特性上よくあることですが、この時ばかりはリアルガチの奴です)
しかし去り際にチラリとみえた面接官の手元メモ筆者の欄には「○」「○」「△」とありました!何の項目かは全く分かりません(いつかチャンスがあれば確認してみます)でしたがチラリと見えた箇所だけで判断すると良さそうな評価に「これはもろたで!」という思いで帰ったことを覚えています。
結果の連絡がその日の夕方にやってたのには驚きましたが、無事に二次面接に進む手筈となったのですが、なんとこの二次面接、面接とは名ばかりで主治医との診察に同行したいというものでした。こんなこともあるんだねぇと妻と驚き戸惑いましたが、主治医に相談すると「いつでもWelcome」ということだったので、面接官、主治医、筆者という怪しい面談のセッティングも無事に完了したのでした。
怪しい面談は滞りなく行われました。企業側から主治医にいくつか質問をして、主治医がそれを軽くあしらう(笑)というなんとも奇妙な空間に居合わせた筆者のなんとも言えない緊張感をお届けすることは現代技術をもってしても成しえないことが非常に残念と言わざるを得ないのであります。
帰り際に面接官から「次は社長面接だよ」という言葉を聞いて、緊張感と期待感が筆者をやさしく包み込んでくれました。
それから数日後、社長面接の日程が送られてきて、いよいよ正念場を迎えることとなります。
第二十話 運命の出会い、そして面接へ
それは出会いと呼ぶにはあまりにもなアレだったのである。
いつものように、ハローワークへ行って求人票を印刷して、持ち帰って家族会議で採決された求人に応募するという日々を過ごしていたのですが、その知らせは唐突に舞い込んできたのです!鳴り響く電話のベル!ディスプレイには見知らぬ番号 受話器を取る 「~社(応募した会社)です」 キターーーーーーーーーー!!
電話で結果が来るなんてこれはもう来たでしょ!?
「残念ながら採用を見送らせていただくことになりました」
ええええええええええええええええええええええええええええええええっ!
そんなのってありかよ……。
またこんなことも……。
厚みがあって大きい封筒が来たぞおおおおおおお!!!!
お祈り通知+応募書類の返送
もうやめて!筆者のライフはZEROよ!
期待させて落とす。こんなひどいことはない、と受け取った瞬間は思うのですがよく考えてみましょう。その他の奴らはどうだったでしょうか?人が丹精込めて書類を作成し、応募しているというのに、紙切れ一枚で「はい、さようなら」
わざわざ電話伝えてくれたり、応募書類郵送したり、手間暇かけてますよ。
そういうことを無駄な経費と考えない立派な企業だと思いませんか?
ほら、また紙切れ一枚の封筒が届きましたよ はいはいお祈り通知っと……。
「面接実施のお知らせ」
ほんげーーーーーーーーっ!!
番外編 ハローワーク以外の求人
求人情報はハローワークをメインにしていましたが、ほかにも障害者の求人を斡旋しているものがあります。私はその中で三つに登録しましたので、その三つについてもご紹介したいと思います。(個人の感想です)
1 クローバーナビ
ここは障害者全般の求人情報を取り扱っていますが、メインは身体障害なので精神障害者向けの求人は私が見たときは少なかったように思います。
しかし、ここで何が役に立ったかというと、登録するともらえる冊子です。
定期的に送付される冊子には障害者採用に当たって企業が求めるもの、実際に働いている人の声、どんな配慮が受けられるのかなど、なかなか知ることのできない情報が載っているので毎号読んではフムフムと大変参考になったものです。
2 DUDAチャレンジ
ここは二回ほど登録しています。一度目は失業保険を貰い始めた頃でしたかね、就職活動をしようにも何から手を付けていいかわからずやみくもに登録したものです。
担当の方から電話で希望する求人について聞かれましたが、その時は漠然とした答えしかできなかったので、紹介できる求人がないと言われてしまいました。その代りに精神障害向けの就職セミナー(もちろん無料)を紹介されたので参加してみました。
そこでは精神障害者の就職状況の説明や、面接時に自身の特性を説明する練習(模擬面接)を行うなど、就職に臨むにあたっての基礎を学べました。
二度目の登録は障害者職業センターの利用後でした。
一度目と同じように、担当の方から希望求人について聞かれますがこの時の筆者は前回とは段違いに進化していたのである程度明確に答えることができました。そして、実際に担当の方と面談をして、具体的に求人紹介をしてもらうという流れなのですが、このとき筆者はすでに運命の出会いをしており、企業面接の真っ最中だったのでその結果次第で求人紹介してもらうという、平行利用にも柔軟に対応してくれる何と親切なことでしょうか!結果的に求人を紹介してもらうことはなかったのですが、紹介を受けているであろう世界線があることはいうまでもありません。
3 アビリティスタッフィング(リクルート)
こちらも②の一度目と同時期に登録していました。登録→説明会→求人紹介という流れなのですが、待てど暮らせど説明会の連絡が来ないのです。何度問い合わせのメールを送っても返事もありません。なんなのでしょうか?Gmailで登録したからなのでしょうか?今となってはもう誰にもわからないのでした。
このように、ハローワーク以外の選択肢もあります。もちろん今回紹介した以外にも精神障害者求人を紹介してくれるところはあると思います。
精神障害者の雇用が義務付けられ、障害者雇用率も引き上げられていくこのご時世です。これからももっと求人紹介をするところが増えていくと思いますので、いろいろと利用してみてください。
第十九話 この誘い、吉と出るか、凶とでるか!?
就職活動に夢中になっている折も折、友人から一通の連絡が
「よいバイトあるでぇ。シフトは言い値でやってくれっから就活の合間にどうよ?」というものでした。
しかしバイト先業種や距離が遠いことから妻には反対されてしまいました。筆者も無理はしたくないのですが、失業保険の受給期間も終わってしまい、収入が本当にゼロとなってしまったこの時代に少しでも収入があるのは良いと思ってバイトを引き受けることにしたのです。
バイト先には就職活動しているからあまり時間が取れないことを伝えて週2日で一日6時間というシフトで始めたのでした。バイト先は、夢はでかいが規模は小さめな企業で女子率高く全体的に美人率が高いです。目の毒ですねぇ。社員の方はかなり忙しそうで、そのサポートをするといった内容になっていまして、体を使ったり、接客だったり、PC作業だったりいろいろとやることは多いものでした。しかし職場環境は非常によく、みなさん丁寧な対応をしてくださり、前のような感情の嵐に振り回されるなんて事態は一度もありませんでした。社員は激務な環境だけどみんないい人という謎の職場でしたね。
大学の仲良しサークルってあんな感じなんでしょうか?経験したことのない空間だったので新鮮でした。
翌月からのシフトは適当に週3入れてもらって面接等かぶったら休むという超絶わがまま対応にしてもらいました。その場その場の臨機応変な対応が求められたり、マルチタスク風だったりと苦手な作業が経験できて、「これは本業には絶対できないな」ということを身をもって知ることができたのでよかったと思います。自分の特性にマッチしないかどうだかよくわからないことはアルバイト等を通じて体験してみるのも一つの手段としては筆者はありだと思います。もちろん無理のない範囲で、ですが。
あとは通勤でこれだけ遠いと嫌だなとか、電車乗り換えは嫌だなとか、そういった条件についても漠然としていた感じから実体験にもとづいたデータ収集もできたので、企業(求人票)に求める条件というものがどんどん明確になっていった時期でもあります。